EDIUSとAdobe社のAfterEffectsは、同じ「映像制作ツール」としてまとめることができるが、それぞれの方向性はまったく異なるソフトウェアだ。
EDIUSは映像編集ソフトウェアで、その特長は何といってもリアルタイム編集。軽快な動作で編集作業を快適に進めることができる。映像編集の基本である時間軸方向へのカット編集は、特にスムーズで非常に安定感がある。繊細な表現ができるカラーコレクション機能も魅力的だ。
一方、AfterEffectsはコンポジットソフトウェアと呼ばれ、モーショングラフィックやデジタル合成といった、ビジュアルエフェクトの分野で力を発揮する。簡単に2D、3DのCGを作ることもできるので、迫力のある映像制作には欠かせないツールと言えるだろう。
もちろん、EDIUSでもモーショングラフィックやビジュアルエフェクトをつけることはできるし、AfterEffectsでも映像のカットや尺調整といった編集作業をすることはできるが、そこは方向性の異なるソフトであるので、お互いの特長まで達するような性能を備えているわけではない。
つまり、EDIUSとAfterEffectsのどちらが映像制作ツールとして優れているというわけではなく、相互補完的な役割を持たせることで最強のタッグになり、映像制作ツールがまた一歩進化するということだ。
EDIUSとAfterEffectsは非常に相性が良く、連携がとりやすくなっている。
今回のTipsではその連携を紹介するので、ぜひ実践してもらい最強の映像制作ツールを手に入れてほしい。
EDIUSについてはTIPSやREPORTを参照いただくとして、少しAfterEffectsについて説明しておこう。
AfterEffectsのタイムラインは、EDIUSのような「トラック」の概念ではなく、1つの素材クリップが1つの「レイヤー」として配置される。レイヤーは縦に重ねることができ、それぞれに合成やエフェクトを設定できるようになっている。

全てのパラメータをキーフレームコントロールできるため、様々なアニメーションやエフェクトを自分で作り出すことができ、文字、図形、パーティクル(飛び散る粒子)などをAfterEffectsだけで作成できるので、グラフィックの素材が無くても様々な映像を作り出すことができる。
サードパーティ製のエフェクトプラグインも充実し、その中にはテレビ番組やCMなどでお馴染みのエフェクトも見つけることができるだろう。
Trapcode社のエフェクトプラグイン (販売元 株式会社フラッシュバック)
Canopus HQ codecは、フルHD映像でもリアルタイム編集できる軽やかさと、業界標準であるHDCAM以上の高い画質を兼ね備えた映像コーデックだ。アルファチャンネルにも対応しているのでコンポジットソフトウェアとの相性も非常に良い。
EDIUSとAfterEffectsを同じPCにインストールすれば、そのCanopus HQ codecをAfterEffectsで読み書きできるようになり、下図で紹介しているような連携をとることができる。
EDIUSで編集している時(3)に、AfterEffectsで作った素材(1)の修正点を見つけた場合は、EDIUSを立ち上げたままAfterEffectsで修正し、EDIUSで使用しているファイルへ上書きしてほしい。レンダリング完了後、自動的に新しいファイルへ更新され、流れを切らずに制作を進めることができるのだ。
※素材の尺を短くした場合はリンクが切れるので再度登録しなおす必要がある
※メモリの消費が大きいので環境によってはできない場合がある
■AfterEffectsレンダーキュー Canopus HQ codecの出力設定
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音楽やナレーションに合わせたカット編集をEDIUSで行い、AfterEffectsで複雑な加工を施す、というフローは非常に効率的で、実践しているユーザーも多いと思う。そういったユーザーは、カット編集した映像を一つの映像ファイルとして書き出し、「中間ファイル」として制作しているのではないだろうか。
その中には、容量が大きく再編集の手間がかかる「中間ファイル」を、できるだけ避けたいと思っているユーザーもいるだろう。
心当たりのあるユーザーには、ぜひ「AAF」というフォーマットを活用してほしい。このフォーマットでEDIUSのプロジェクトデータ書き出すと、AfterEffectsでもEDIUSのプロジェクトを扱うことができるので、「中間ファイル」をなくした効率的なフローを構築できる。
※AAF入出力機能はEDIUS Pro version 4.5以降に搭載(EDIUS Neoは非対応)

上図のように、EDIUSで使用している各クリップがそのままレイヤーとなってAfterEffectsに引き継がれる。
注意点として、AfterEffectsのプロジェクトデータをEDIUSで読み込むことはできないことを覚えていてもらいたい。
AfterEffectsは、AAFの読み込みは可能だが書き出しは不可能なのだ。AfterEffectsからEDIUSへは、映像ファイルによる連携が必要となる。
しかしその連携が欠けていても、フロー全体から見れば特に支障をきたさないのではないだろうか。
軽快なEDIUSで必要シーンを選び、AfterEffectsに「編集情報」を送り、エフェクトを適用。カット編集のタイムラインにあるクリップとリンクさせる形で加工したファイル置いていく、という流れは充分に実用性が高いと言えるだろう。
■AAFによる連携の手順
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AfterEffectsを起動し、「ファイル」→「読み込み」→「ファイル」を選択し、該当のAAFファイルを読み込む。
これでEDIUSのタイムライン(シーケンス)がコンポジションの形となって読み込まれる。AfterEffectsのプロジェクトに読み込まれているクリップも、EDIUSと同じ素材ファイルを参照している。
以上が標準的な方法となる。
使用しているクリップ部分のみを切り出したAAFのプロジェクトファイルを作ることもできる。
コンソリデートと同様に、使用範囲のみを新しいファイルに書き出しリンクした形にする。前後マージン(のりしろ)の指定もできるので、連携と同時に必要部分の切り出しを行うことができる。

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EDIUSはバージョンアップの度に表現力を高めているので、EDIUSだけでも十分な視覚効果を加えた映像を作れるようになってきている。
しかし、それぞれのソフトには特徴があり、最も効果を発揮するシーンというものがあるものだ。プロフェッショナルの世界でも、シーンごとに最も適したアプリケーションとその技術者を配置するケースが多いだろう。そこでは各ソフトの能力だけでなく、各分野の「繋がり」「連携」ということも非常に重要なファクターとなる。
今回は編集に特化したEDIUSとエフェクトを得意とするAfterEffectsの連携を取り上げたが、EDIUSはPhotoshopやProToolsといったソフトウェアとも連携を取ることができる。各ソフトの特長を活かしながら、今後の映像制作に役立ててほしい。
AAFでMAソフトとも連携
AAFに対応しているのはAfterEffectsだけではない。代表的なのものとして、MA作業の定番DAWソフト |
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※本記事はREPORTに掲載していた記事を追記・変更したものです。(2009.7.15)